[2015/9/5] 城東スキルアップセミナー 4回目開催報告


暑さも少し和らぎ秋の気配を感じ始めた9月5日(土)に、城東支部スキルアップコース(城東プロコン塾)
4回目の講義が、京橋プラザ区民館で行われました。
受講生は業務の都合で欠席の方もありましたが、約15名が集まりました。
今月は、午前中は課題図書の学習内容のまとめを受講生が発表し、午後は『販路開拓』に関して講義形式で
学びました。

1.課題図書の学習内容を発表

9月の課題図書は『マネジメント 基本と原則 (P.F.ドラッカー ダイヤモンド社)』で、資料の作成に
ついては、課題図書の『考える技術・書く技術(バーバラ・ミント ダイヤモンド社)』を参考にして、
課題図書の内容を中小企業の診断に役立つように、A3、1枚にまとめることでした。

ドラッカーの『マネジメント』はある意味で哲学的な内容でもあり、受講生にとっては理解しにくい図書
でした。これをバーバラミントの『考える技術・書く技術』を参考にして、中小企業の診断に役立つように
まとめることは、受講生にとりまして決して楽な課題ではありませんでした。

事務局の田中正浩会員の指名で7名の受講生が発表し、それぞれの発表に対して、2~3名の受講生が
質問と意見を述べました。

発表した受講生は、それぞれにまとめ方に工夫をしていました。
①幅広く、深みもある課題図書の内容を、3つの切り口に分けてまとめた方、
②まとめのポイントを1点にしぼって、その中でオリジナルな事例も加えながら展開された方、
③実際の企業診断を意識してチェックリスト方式でまとめた方
など、それぞれに工夫されていました。他の受講生のまとめた内容を聞いて、難しかった
ドラッカーのマネジメントの理解が進みました。
fig_1

 2.販路開拓(ランチェスター戦略)

ランチェスター協会認定インストラクターの資格を持つ村上一幸会員に講師を務めていただき、
ランチェスター戦略の基本編の講義を受けました。

(1)講義に入る前に先輩診断士として、今後、診断士活動を行う上でのアドバイスがありました。

  • それぞれに自分の得意分野、専門分野があると思うが、中小企業診断士になって中小企業を
    支援していく立場になったのだから、マーケティング、ITだけではなく、人事、財務など幅広く
    支援できるように得意分野を広げること。
  • そのためにはオープンマインドを持ち、まずは一旦受け入れること。そして、自分に合う
    診断方法を選択し、オリジナルとして実践していく。そのためにも情報収集や学習は必要であり、
    書籍・先輩などから基本的なことを学ぶようにすべきである。
  • 新しいことを提案するためには、閃きは大切だ。閃きは十分な知識・情報の上にあるからこそ可能となる。
    知識・情報の無いものは単なる思い付きであり、思い付きでは企業に役立つ提案はできない。
  • 診断先から3つの事項の依頼を受けたら、そのままを提案するのではなく、オプションとして
    さらに1つ、2つの提案を準備できるのがプロの診断士。
    診断士は、ドラッカー、コトラー、ポーター、ランチェスターなどいろいろな戦略を身に付け、
    診断先企業の状況に合わせて、戦略を使い分けられるようになってほしい。
  • 口先だけの旧態依然としたコンサルタント(診断士)ではなく、自らの提案を顧客と一緒に
    進めることができる実行力あるコンサルタント(診断士)が求められている。
    実行力のある診断士になってほしい。

いずれも受講生の心に響く、とてもありがたいアドバイスでした。

(2)ランチェスター戦略基本編

①ランチェスター法則、クープマンモデル、田岡・斧田シェア理論

ランチェスター戦略は、ランチェスターの法則、クームマンモデル、田岡・斧田のシェア理論の
3つから成り立っていて、確立したのは日本人(田岡信夫先生)だということも学びました。

もともと軍事戦略であったことから第二次世界大戦での兵力数などの演習を交えて学びました。
また、ランチェスター戦略が数学的裏付けのある戦略であることを知り、これをビジネス戦略として
兵力数の演習を行ったところ、とても興味深く、実際に兵力数を計算してみるとランチェスター法則が
よく理解できました。受講生は、講義の導入部分からランチェスターの講義に引きこまれました。
クープマンモデルは、後にオペレーションリサーチとして学問、ビジネスへと進展しました。

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②ランチェスター戦略の弱者の戦略、強者の戦略と5大戦法

本日の講義の最大の山場です。

  • 弱者の戦略=差別化戦略、強者の戦略=ミート戦略
  • 弱者の5大戦法=陽動戦、一騎打ち戦、接近戦、局地戦、一点集中主義
  • 強者の5大戦法=誘導戦、確率戦、遠隔戦、広域戦、総合主義
  • 市場地位別戦略に基づいた競争理論
  • No.1を目指す市場占有率には7段階あること
  • No.1を目指すための前提として、足下の敵攻撃の原則があること
  • 差別化⇒ 一点集中 ⇒ 圧倒的なシェアの差を持つNo.1  のステップで戦略を進めること

ランチェスター戦略の基本部分を、実際の国内市場での事例を挙げながら、とてもわかりやすく
説明していただきました。私自身は数字的裏付けのある戦略というところに、特に説得力と魅力を
感じました。

3.連絡事項

(1)大石正明会員より、第31回葛飾区産業フェアのご案内
10月16日(金)~18日(日) テクノプラザかつしか / 城東地域中小企業振興センターにて

(2)大石正明会員より、城東スキルアップ企業診断のご案内
ビールの酒販・飲食店、9月末~11月末頃の期間

(3)次回スキルアップは10月3日(土) 藤田千晴会員 リスクマネジメント

課題図書は、再度「コトラーの戦略的マーケティング」(フィリップ・コトラーダイヤモンド社)
今回は、診断に活用できるよう、大石正明会員より送付頂いたフレームワークに本の内容を落とし込みます。
次々回11月については、図書館でセミナー講師を予定している6名の方に、予行演習として、
一人10分(発表7分、コメント3分)でプレゼンを実施していただきます。(白砂 尋士)