[2016/9/3]城東スキルアップコース(第4回)開催報告


残暑の残る9月3日(土)、城東スキルアップコース(城東プロコン塾)の第4回の講義が、京橋プラザ区民館で行われました。
23名の受講生が参加し、田中正浩会員の進行のもと午前9時30分から開始されました。
前半は課題図書の学習内容を受講生が発表し、後半は「販路開拓(ランチェスター戦略)」について講義およびグループワーク形式で学びました。

1.課題図書の学習内容の発表および質疑応答

今回の課題図書は「マッキンゼー経営の本質~意思と仕組み~(著)マービン・バウワー」でした。受講生の半分が課題図書をA3一枚でまとめた自身の作成資料を発表し、残り半分の受講生が発表者への質疑応答を行いました。
2冊目の課題図書の学習内容の発表となる今回は、単に整理しただけでなく、中小企業の社長に向けて、以下のような様々な工夫を凝らした発表資料が多くなり、大変分かりやすいものになっていました。

  • 文字装飾や図表を加え、理解しやすくする。
  • 経験談を交え、感性に訴える。
  • 中高年の社長が好む戦国武将のイラストを加え、感情移入をしやすくする。

これらの資料作成の手法は、今後の自身活動にも活用したいです。
また、私を含め、多くの発表資料が「経営への意思と経営システム」を中心にまとめており、診断士として着目すべき点に大きな差異がないということがわかり、自信が持てた気がします。

 

2.販路開拓(ランチェスター戦略)

NPOランチェスター協会のインストラクター資格を持つ村上一幸会員を講師に迎え、ランチェスター戦略の基本についての講義が行われました。

(1)受講生への中小企業診断士の活動のアドバイス

講義に入る前に、村上一幸会員の活動フィールドである6次産業化の説明を通じて、今後の診断士の活動へのアドバイスをいただきました。特に印象的だったのは、村上一幸会員が所有している数多くの資格を題材に「公官庁や関連団体、中小企業との付き合うには、試験知識だけでは不足している。中小企業診断士は資格を取得してからの勉強が大切だ」という話でした。私自身、中小企業診断士に登録してから間もないですが、このようなアドバイスをいただけて、身が引き締まる思いでした。

 (2)ランチェスター戦略の考え方と導入事例

ランチェスター戦略は、人口減少などにより市場成長が鈍化する状況において、シェアを拡大して売上高を拡大するのに適した戦略だと紹介されました。

また、ランチェスター戦略を用いている日本企業の例として、HISやトヨタ自動車、ホンダなど、日本を代表する企業の紹介がありました。「ランチェスター戦略は、弱者の戦略のみがクローズアップされている。例えば、ホンダはオートバイでは世界一だが、自動車では世界一ではない。一つの事業の成功事例を単に他の事業に展開するのではなく、置かれている立場により、強者の戦略と弱者の戦略を選択するのが重要だ。」という話がありました。この話は、今後の経営相談などで、自身が陥らないようにしなくてはいけないことだと感じました。

(3)ランチェスター戦略の競争理論と実務体系

ランチェスター戦略は、以下の3つの理論から成り立っていると学びました。

①第一次世界大戦の頃に作られた第一法則(弱者の戦略)および第二法則(強者の戦略)
②第二次世界大戦で使われたクープマン・モデル(ランチェスター戦略のモデル式)
③ビジネスへ応用させた田岡・斧田シェア理論

どの理論も結論となる数値や、数値を算定するための公式があり、具体的で説得力のある戦略だとわかりました。最後に、ランチェスター戦略のまとめとして

  • 2位をダントツで引き離す1位となる「No.1主義」
  • 競争目標と攻撃目標を分ける「足元の的攻撃の原則」
  • 当面の攻撃目標を絞り込む「1点集中主義」
の3つを学びました。この3つは、競争が激化する中小企業の環境において、診断先に使うことができる提案方法だと感じました。

 (4)ランチェスター戦略の市場シェアの考え方

シェアの高さが企業に及ぼすメリットとして、

  • 情報量が多くなり、打つ手の的中度が高くなる
  • 価格の主導権が取れる
  • 物流コストなどコスト全般に対する相対的な軽減の効果が表れる(スケールメリット)
  • 組織の自信とプライドが生まれてくる

という話がありました。メリットなかでも特に「組織の自信とプライドが生まれてくる」というのは中小企業にとって重要な効果ではないかと感じました。
また、ランチェスター戦略の五大戦法として、弱者・強者により異なる戦略があることを学びました。

<弱者の五大戦法による差別化戦略>
①局地戦
②一騎打ち戦
③接近戦
④一点集中主義
⑤陽動戦

<強者の五大戦法によるミート戦略>
①広域戦
②確率戦
③遠隔戦
④総合主義
⑤誘導戦

五大戦法の個々の戦法には、似たような考えがあるものの、どのような戦法をとるか、今後の診断活動で競争戦略を考える際の良い具体例になると感じました。

(5)ランチェスター戦略のグループワーク「まちの電気屋さん」

最後に、ランチェスター戦略使った事例研究として、一チーム4~5人でのグループワークおよび発表を行いました。
私の担当チームでは「五大戦法による差別化戦略」といった繋げる方向にまとめましたが、チームごとの発表内容をみると「五大戦法による差別化戦略」か「目標+ターゲット+4P」のどちらかにまとめたチームが多かったように感じました。
担当チームの発表は私が行いましたが、アドリブに近い形での発表経験は少なかったため、良い経験になりました。
最後に、村上一幸会員から、セミナーでは発表まで見据えた構成にすることが重要だとアドバイスをいただきました。

3.連絡事項

第5回城東スキルアップの予定

講 義  リスクマネジメント
講 師  藤田千晴会員
日 時  10月1日(土)9時30分~16時30分
 場 所  京橋プラザ区民館 1号洋室(中央区銀座1丁目25番3号)http://chuo7kuminkan.com/about/kyobashi-p.html

(布能弘一会員)