[2016/11/5]城東スキルアップコース(第6回)開催報告


急に肌寒くなってきた11月5日(土)、城東スキルアップコース(城東プロコン塾)の第6回の講義が京橋プラザ区民館で行われ、20名の受講生が参加しました。

1.課題図書「考える技術・書く技術」(バーバラ・ミント著)のまとめ発表

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過去2回の課題図書の発表と同様、本著を中小企業の社長に紹介するという設定で、受講生が各自プレゼン資料を作成し、それぞれ発表、質疑応答を行いました。

これまでの課題図書は、読みやすく、内容に感銘を受ける受講生が多かったのですが、本著は全体的に難解な印象で、本としての評価は二分されました。

肯定派は、本著のキーポイントである文章の「ピラミッド」構造、およびそれを構成するロジックの組み立て方など、わかりやすい文書を作成する手順が理解できたとの意見でした。一方否定派は、そもそも分かりやすい文章を作成するために書かれた本が、非常に難解であること自体が問題であるとの意見でした。

筆者は肯定派として発表しましたが、設定である「中小企業の社長に紹介する」ことはしないとしました。なぜなら、本著は、プレゼン文書を相手に伝わりやすく作成するには、ロジックを考え抜いて文書を構成する必要があるとしており、この難解な本を理解し、スキルを習得するのは、他ならぬ私たち「中小企業診断士」であると考えたからです。

そういった意味から、本著は、コンサルタントや会社の経営企画担当など、トップマネジメントに対するプレゼンをビジネスにしている人には、お薦めの本であると思います。

2.「起業・創業支援に求められること」講義 講師:木内清人会員

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(1)はじめに

起業・創業支援にあたる中小企業診断士として必要なことは、「知識+心構え」であることを理解することが、本講義の目的であるとお話いただきました。

まず「知識」としては、起業までのステップを明示でき、起業希望者にその課題を認識させ、最新の支援制度を理解の上、説明できることが求められ、次に「心構え」としては、聞き役に徹すること、場合によっては人生相談に乗ること、そしてなによりその企業の最初のファンになることが重要であるとの講義を受けました。

経験乏しい私たち受講生にとって、診断士試験の知識だけでは到底立ち行かず、常に新たな知識を吸収し続けることが最低限必要で、その上で起業・創業を希望する方の良き理解者、良きパートナーとなる人間性を兼ね備えなければならないことを、改めて認識しました。

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(2)起業・創業の実態、創業のための支援制度説明

「起業・創業の実態を知る第一歩は、中小企業白書を読むこと」、つまり、中小企業白書は中小企業診断士のバイブルであり、白書を過去から現在までを追うと、政府の施策の経緯や、今日の状況が理解できるとのことでした。また、2013年以前は、起業後の情報が主でしたが、2014年以降は、起業前の情報も盛り込まれており、創業支援の実例として非常に参考になるとの説明を受けました。

「第二歩は、日本政策金融公庫の調査結果を活用すること」で、これは、同組織が公表している「新規開業白書」や「日本政策金融公庫論集」などは、起業時における各種数値データや頻度が多い課題などが多数記載されており、起業希望者の立てた計画に対する指摘や、課題抽出の裏付けとして活用できるとのことでした。

どちらも診断士試験の際に読んだ程度で、常に読む習慣が身についていないことを痛感しました。今後は、どちらも正に「バイブル」として熟読する決意を新たにしました。

次に、各種支援制度の説明を受けましたが、こちらも常にアンテナを張って、起業希望者の状況に合った、ベストな制度紹介ができるよう心がけたいと思いました。

(3)開業事例紹介

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1)「Kitchen Eggs」 業種:飲食店(オムライス専門店)
起業に必要なこと、それは「想い・理念」が先で、それを支えるのは「専門的な技術・能力」、「経営・業務知識」、「人材・人脈」、そしてベースとなるのは「資金的な裏付け」であるとご説明いただきました。

その中で重要なことは、起業を夢見ているころとは違い、真剣に考える段階での「想い・理念」は、「やりたいこと」だけでは不十分で、「やりたいこと(理想像)」と「やれること(保有技術・経験)」、「やるべきこと(社会の要求)」の全てを満たすよう組み立てる必要があり、不足しているものがあれば、補完する必要があるとのことでした。

本企業の社長は、当初「満足より感動を与える、地域にないと困る洋食店」を夢見て「やれること(保有技術、経験)」を得るために、調理の修行に出ました。その後、起業を意識した時点では「パスタ店」を志向しましたが、「やるべきこと(社会の要求)」の観点から、「オムライスを食べたい人はいるが、場所がない」と考え、更にオムライス調理技術を修得したのちに起業し、成功を収めたそうです。

本事例から、起業希望者には「夢を見ているころ」、「真剣に考えているころ」、「具体的に行動しているころ」の各ステージがあるなか、起業相談を受ける診断士に求められるのは、そのステージ毎に適切な選択肢を示し、アドバイスできるような知識や経験であることが理解できました。

2)「縁の木」 業種:小売店(珈琲豆)
本企業の社長は、「障がいを持つお子様と一緒に仕事をしたい、将来的には自分がいなくても他の兄弟の負担にならないような環境をつくりたい」という「想い・理念」を持ち、その上で「障がい者の就労訓練の場所が必要」との「やるべきこと(社会の要求)」を踏まえ、出した結論が、珈琲豆を焙煎・販売する事業だったとのことでした。

そこで不足している焙煎技術を修得するために無給で修行にでて、起業されたそうです。本事例を紹介いただき、診断士がそのような起業のお手伝いを通じて、より社会的に意義のある活動ができることが、改めてわかりました。

3)「オカダ ヴイエム デザイン」 業種:コンサルタント、アドバイス業
本事例紹介に先立ち、起業には「事業計画書」の作成が重要で、計画書を作成してから起業する方が、作成しない場合と比較して成功する確率が高く、この作成を支援することも、診断士として重要だとご説明いただきました。

この際、当初は「予想」で作成いただいた計画を、統計資料や調査などにより「予測」に向上させ、それを定期的に見直すことをアドバイスする必要があるとのことでした。また、完璧な計画書はあり得ないので、気長に寄りそう度量も必要であるとのことでした。

次に、実際の相談のきっかけである「創業塾」と「図書館での窓口相談事例」の講義の後、その具体的事例として、本企業の岡田社長をお招きし、創業の経験談をご講演いただきました。

3.代表 岡田博之氏によるご講演

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ご自身の定年退職を間近に控え、これまで培ったVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)技術の社内継承者が確保できなかったため、起業を決意したとのことでした。

その際、葛飾区立立石図書館のビジネス支援相談会に参加し、以降、起業に向けた要所要所で相談に訪れ、的確な選択肢やアドバイスを得て起業されたそうです。その経験を踏まえて、我々診断士に希望するのは、「成功への道先案内人」「チャンスメーカー」「聞き上手な相談相手」になってもらうことであると、ご講演いただきました。クライアントからの生の声を伺うことで、改めて診断士としての心構えを教えていただいた気がしました。

その後、実際のVMDに関する重要性や今後のビジネス展開をご講演いただきました。アパレルブランド「ダーバン」の店舗展開の実例から、VMDの観点から店舗設計とはどういったものかをご説明いただきました。店舗ビジュアルだけでなく、適正数量生産、適正在庫の改善を通じ、収益の向上が達成でき、みんながハッピーになるVMDの考え方は、これまでの私の認識を覆す、目から鱗の内容ばかりで、非常に感銘を受けました。

4.連絡事項

(1)第9回城東スキルアップ 時間変更の件

2月4日(土)の第9回城東スキルアップですが、1年目の会と日程が重なったので、時間を9:00~14:00変更(従来は9:30~16:30)講義のみ行うとのことです。

(2)第7回城東スキルアップの予定

  • 日時:12月3日(土)9:30~16:30
  • 場所:八丁堀区民館 6号洋室

http://chuo7kuminkan.com/about/hachobori.html

<内容>

  • 葛飾区図書館セミナー発表者 内容プレゼンテーション(10分/人×6名)
  • 講義:海外進出国際化対応
  • 講師:末廣尚也会員

(3)次々回までの課題図書

P.F.ドラッガー著「マネジメント 基本と原則」

その他、葛飾区図書館セミナー、商店街支援などについて連絡がありました。

(宮崎 保典会員)