[2016/12/3]城東スキルアップコース(第7回)開催報告


にわかに寒さが募ってまいりました12月3日(土)、城東スキルアップコース(城東プロコン塾)の第7回の講義が八丁堀区民館で行われ、21名の受講生が参加しました。

1.実務従事案件(IT企業)の実施報告

宮崎保典会員より、城東スキルアップ会員有志5名で取り組んだIT企業の実務従事案件についての報告がありました。約2か月の期間中、数回の打ち合わせを重ねながら各会員の専門知識も活用してなんとか報告書を完成させたこと、そして11月26日の最終報告会では、社長から「期待以上の提案内容で、まさに目から鱗だった」とのお褒めの言葉をいただいたこと、最後は楽しいビアタイムで締めくくったことなどの話がありました。

2.図書館ビジネスセミナー向けリハーサル

2017年1月~3月に葛飾区中央・立石両図書館で行われるビジネスセミナーの、城東スキルアップ会員講師6名によるリハーサルが行われました。1人あたり10分の持ち時間の中で、研究者が使うノウハウから今話題のIoTまで、各々の専門分野や経験を反映した非常に興味のそそられるプレゼンテーションが続きました。

その後の質疑応答では、「対象をもっと絞って明確にするべきでは?」や「自分の経験からにじみ出るようなエピソードがほしい」など、非常に活発な意見交換が行われ、会員講師たちも真剣に耳を傾けていました。現時点の構成内容が今日の質疑応答による第三者からの指摘を受けて、どのような形にブラッシュアップし完成されていくのか今後を楽しみにしたいと思います。

各会員講師のビジネスセミナーの内容につきましては、以下のURLに掲載されています。
http://www.johtoh-smeca.jp/info/katsushika-libsupport_2017_pre/

3.「国際化・海外展開支援」講義

今回の講義テーマは、末廣尚也会員による「国際化・海外展開支援」でした。冒頭で、中小企業にとっても海外展開支援は今後ますます重要になってくるため、この分野の経験が少ない診断士に対しても理解できるように講義を進めていくとの主旨説明がありました。

(1)中小企業を取り巻く国際動向

過去の統計データをもとに、グローバル経済の進展に伴う国際競争の激化、少子高齢化や需要減退に伴う国内環境の悪化の説明があり、そうした中で国際化を積極的に進めていった中小企業における効果の話がありました。具体的には、「売上高の向上」、「海外市場情報やノウハウの蓄積」、「企業認知度の向上」、「コストダウン」、「新製品開発」、「直接投資開始後の従業員増加」などが、国際化を進めた中小企業の効果としてあげられました。一方、課題としては、「販売先の確保」、「必要資金の確保」、「信頼できるアドバイザーの確保」などがあり、特に専門アドバイザーに対しては企業からのニーズが高いとの説明がありました。

今後中小企業が生き残り発展していくためには、海外市場進出が一つの大きな打開策になると考えられますが、やはり課題が多くリスクも大きくなります。こうした国際化を進めようとしている中小企業に対して診断士が専門知識とネットワークをもとに支援していくことは、今後ますます求められてくるとのことでした。

(2)国際ビジネスに必要な実務知識

まず「国際ビジネスの類型」と「段階別展開モデル」についての概要的な説明がありました。次に契約書作成の注意点やインコタームズ (Incoterms)(※) など、事例を踏まえながら「貿易取引の基本」についての解説がありました。さらに貿易・海上保険などの「各種保険」や、安全保障貿易管理などの「国際貿易規制」といったリスク管理面での解説がありました。

国際取引では相手国を含む貿易規制を遵守しなければなりません。知らずに輸出すると莫大なペナルティを課される可能性があるとのことで、貿易における実務知識の重要性を改めて認識しました。

※ 国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が策定した貿易条件の定義

(3)中小企業の国際ビジネス支援、海外展開のポイント等

まず、海外展開に際しての検討方法として、5W1H(Why・What・Where・When・Who・How)の重要性についての説明がありました。そして、海外展開の目的やターゲットを明確にすること、製品・サービスのニーズや競争力を把握すること、海外展開の課題を明確にすること、社内の意思統一の有無の確認することなど、検討するべき具体的課題についての話を伺いました。更に国外取引特有のリスクとその対応策、輸出・輸入取引のポイント、対外直接投資やフィージビリティ・スタディ(feasibility study)などについての解説が行われました。

海外展開においても、その目的やビジョンを明確にし、それを実現するためのプランを多面的に考えることが重要になりますが、国内取引以上に明確な基準をもって周到に事前準備を進めることが重要であることを学びました。

(4)演習

講義で学習した内容をもとに、実際の事例に基づいた演習を行いました。受講者は4班に分かれ、複数の事例について、それぞれ意見を出しあい提案をまとめました。紹介された各事例については、その内容が具体的かつリアルであり、講義で学んだ知識をもとに情報を整理した話し合いは大いに盛り上がりました。

私自身は海外展開支援の経験はありませんが、こうした実際の事例について自ら考えてみることで、海外取引の現場がより具体的にイメージできました。海外展開支援について敷居が高く感じがちであった従来の印象を和らげるという意味においても、非常に有意義な演習となりました。

今回の講義では、中小企業の海外展開の背景として、取引先の追随などの従来型のスタイルから、国内市場縮小に対応するための海外販路拡大という目的の変化があることを学びました。そして多様化する企業からの要望や顕在化するリスクに対して、診断士としてどのように対応するべきかという課題について改めて考えることができました。

国内企業の支援に特化するつもりでいる診断士にとっても、いつ海外展開の支援を行う必要性に迫られるか分かりません。国際化・海外展開の現状を認識するとともに、クライアントの国際化の目的をしっかり理解して、有効な情報提供を行いながら実際の支援活動を行っていく必要があると実感しました。

4.連絡事項

 (1)第8回城東スキルアップの予定

日 時 2017年1月14日(土)9:30~16:30
 場 所  佃区民館 1号洋室(http://www.tafuka.co.jp/tokyo_chuo/tsukishima_tsukuda.html
 講 義  ①IT活用支援:森下真一会員/②IT活用支援:堀尾健人会員
 課題図書  P.F.ドラッガー著『マネジメント 基本と原則』

(2)実務従事案件の募集

横山和志会員から、2016年12~2017年2月に開催予定で、飲食店実務従事に関する募集のお知らせがありました。

(永井順一会員)