[2016/1/9]城東スキルアップコース(第8回)開催報告


1月9日(土)、城東スキルアップコース(城東プロコン塾)の第8回目の講義が、京橋プラザ区民館で
行われ、14名が参加しました。早いもので、今回を含め残すところあと3回となっています。

先日、地方創生☆アイディアコンテスト2015に、城東スキルアップ事務局の木内清人会員をはじめとする
中小企業診断士4名のチームが参加し、見事大臣賞に次ぐ優秀賞を受賞されました。第2次交通等を通じて
長野県諏訪地域の観光を活性化させる内容で、分析力と実現性の高さを評価頂いたとのことです。

今回の講義のあと新年会が開催されましたが、冒頭のご挨拶でもチームを率いた宮崎博孝会員から、
今回の受賞を機に、中小企業診断士もどんどんこのようなコンテストに参加して行政への働きかけを行って
いくべきとのお話がありました。

1.診断手法と事例について(講師:大石正明会員)

午前中の前半、大石会員の診断先である企業の決算書コピー(5年前)を見ながら、診断手法について
講義が行われました。10分間で受講生が決算書を読み、考えを発表しました。

大石会員からは、今回のように債務超過である上に明日の資金繰りがままならない財務内容の場合、
損益計算書ではなく、まず貸借対照表をみるべきとのご指導を頂きました。

まず、余分な遊休資産がないか等を見て資金を確保するのが第一であると理解しました。当該企業は、
在庫になっていた材料を店頭で売りさばき、余裕が出来て『中華レストランを経営したい』という
将来の夢を社長が語りだしたとのことです。それ以降、当該企業は軌道に乗りだし、現在では月商が
当時の約2倍になっているそうです。

日ごろ資金繰りに右往左往して、理念やビジョンがない、経営戦略を描いていない、戦術もないという
状態に陥っている中小企業は多く、そのような企業が理念やビジョンを明確化して、戦略を描き、
戦術に落とし込むことが重要であるとのご説明を頂きました。

経営実行(行動)に埋没するのではなく、経営理念→経営ビジョン→経営戦略→経営戦術→経営実行と
本質を追求し具現化していくことが重要であると学びました。

2.受講生のセミナーの実施報告と実施練習

午前中の後半は、城東スキルアップ受講者のうち6名が講師となる図書館セミナーの実施報告(1名)と
今後の開催に向けたセミリハーサル(3名)を行いました。

(1)実施報告

福永真美会員:「企業が成長を続けるために ~小さな発見、大きな改革~」

昨年12月13日(日)に経営者層を中心に12~13名の参加者が来られ、セミナーが実施されました。
初めてのセミナーであり、福永会員は起承転結を明確にすることを重視して実施したところ、
図書館にも大変好評だったとのことです。

(2)実施練習(10分/人)

次にセミナーを控える以下3名のセミリハーサルがありました。

  • 家田康之会員:お客様目線から始めるマーケティング
    1月24日(日)立石図書館14:00~
  • 武田明子会員:会社の成長につなげる強み承継
    2月21日(日)中央図書館14:00~
  • 横山和志会員:お金をかけずに効果を出す販売促進イベントの作り方
    2月14日(日)立石図書館14:00~

3.講義~IT活用支援~

午前中終盤から午後にかけて、中小企業におけるIT活用支援をテーマに2つの講義が開催されました。

(1)講師:森下真一会員

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□講義

ある企業が業務改善でITを活用する際、その会社に必要なものは売り上げ拡大なのか、コスト削減なのか、
コミュニケーションなのかを見極めることが重要であると講義の冒頭でお話がありました。

次に、ある企業のサイト診断を行う場合、HPの見た目の綺麗さ、検索結果の検索順で上位にあるかで
判断するのは誤りであり、分かりやすく評価するために金額でそのホームページを評価する方法を教えて
頂きました。自分の会社のホームページを評価してみるのも面白いと思います。

近年のSNSは、「ブランディング」、「HPを持っていない企業の口コミ」として活用されています。
特にFacebookは一番上の記事にメニューを書き込み固定すれば、HPの代用になり、“いいね”を30個
押してもらうと、インサイトにアクセスすることができ、いつ、どこから、どのような人物が、どの
ニュースに“いいね”したが分かり、顧客分析に活用できるとのことでした。

(2)講師:堀尾健人会員

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□講義

①中小企業のIT化支援

活用しやすいITとしてクラウド環境があり、必要なIT資源を必要な時に使え、業務処理に必要なソフトが
活用できる等のメリットがあるものの、中小企業では利用環境を整備・維持できる要員の確保が課題との
ご説明でした。

「スキルのある現場担当者が主導したIT導入」、「ベンダなどの外部任せの利用環境」になっており、
はっきりとした経営方針がないまま中小企業ではITを活用していると改めて認識しました。

戦略的IT利活用では、経営戦略にもとづく業務の再構築というトップダウン、継続した改善による業務の
再構築というボトムアップのどちらかを明確にして実施することが重要であると学びました。

②IoTによる新たなビジネスモデルの創造

日本では、IT技術者の分布がITサービス企業に偏っており、各産業にIT利活用が進んでいないことの背景
であるとのことでした。そのため社内の業務効率化・コスト削減を中心にした守りに主眼が置かれている
のだと理解しました。今後は、IoT、ビッグデータ、AIの活用が必要であると学びました。

IoTとは、モノ、ヒトのデータを継続的に取得することで新たなビジネスモデルを創造し、さらに異業種間

での協創を実現することと、改めて定義を学びました。IoT市場は、15年~18年の3年間で約2倍に
成長すると言われているそうです。

製造業においても、製造現場や自動運転等の分野でキーとなる概念であり、具体的なIoT活用例として、
「ダイキン工業では、ビル空調設備の故障・メンテナンス費の課題を解決するため遠隔監視端末を外付け
し、早期IoT化した。その結果、保守費削減や遠隔操作やCo2漏えい検知サービスを早期に提供開始する
ことができた。」等々があるとご説明頂きました。

IoT普及の課題は、セキュリティー、特にサイバー攻撃であり、製造現場がサイバー攻撃で狙われると
多大な損害になるため、制御システムのセキュリティー対策を進めなければならないとのことでした。

4.城東支部における独立診断士について

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午後の後半は、酒井勇貴会員に、診断士として独立するにあたっての心構えを「熱く」ご説明頂きました。
独立に関する心構えをQ&A形式でお話頂きましたので、3つほど紹介します。

  • Q1:どうして独立を決断できたのか?
    A1:独立は合理的な意思決定ではない(ロジカルに考えると独立は遠のく)。自分で決めて自分で
    やりたい人が独立すべき。
  • Q2:独立して生活できますか?
    A2:中小企業診断士の資格は生活保護ではない。実際にリングの上で戦って勝てば生活できる。
    異種格闘技戦なので武器を持つべきである。
  • Q3:仕事を作ってから会社を辞める方が良いか?
    A3:「仕事がもらえたら辞める」という姿勢ではなかなか仕事はもらえない。

大変ためになるお話を頂きました。

次回の城東スキルアップセミナーは、2月6日(土)に京橋プラザで開催され、関口大介会員による
「中小企業施策と受理されやすい申請書の作成方法」が予定されています。

(田中 和哉会員)