[2016/7/31]「夏の工場見学会」開催報告


7月31日、城東支部地域支援部、国際部、下町中小企業研究会の共催で、「夏の工場見学会」が開催されました。視察先の大和合金株式会社様は、関連会社の三芳合金工業株式会社様とともに、埼玉県入間郡に工場を持ち、溶解から検査までを行う一貫生産体制を備え、航空機や船舶、海底ケーブル等に用いられる部品用の特殊銅合金を製造する企業です。両社合わせて売上高82億円、社員数約140名という規模で、10年をかけて新合金を開発し特許を取得する、など研究開発にも力を入れています。

工場見学は2班に分かれて行いましたが、その一方を荻野源次郎社長自ら先導して詳しく解説していただきました。見学者の私たちは、ヘルメットにマスク、軍手、不織布の白衣という出で立ちです。

当日は天候に恵まれた大変暑い日でしたが、工場内はさらに高温です。溶解した金属を型に流し込む工程は圧巻の一言で、小まめに温度や時間を計測しながら、作業する社員の方々の知識と経験を活かした、中小企業ならではの小ロット対応の姿がありました。

 

こちらは本日のハイライトとなる、熱した合金を吊下げて地面に埋め込まれている水槽に沈めるシーンです。加熱炉を開くと同時に周囲は強烈な熱気に包まれ、その中でも迅速・確実・丁寧に作業をこなす社員の方々に驚きと感嘆の声が挙がりました。熱と光を放つ合金を目に、まるで映画のワンシーンを見ているような気持ちになりました。

見学を通して、荻野社長の親しみやすいお人柄や、工程に合わせて柔軟に見学順を変更してくださるなど、多大なお気づかいを感じることができました。また、真夏の暑さの中、熱気に包まれる工場内で淡々と業務に励んでいる社員の方々や、元気よく挨拶してくださった若手社員の方々が印象的でした。

工場見学に続いて、荻野社長と、お父様であり、会長で関連会社の三芳合金工業株式会社社長でもある荻野茂雄氏に、会社と事業概要の説明をしていただきました。多くの製造業企業で課題となっている人材確保や技術継承、営業、海外進出などを中心に質疑応答が進みました。

中でも、家族に就職先として勧められるような会社でありたいというお話や、実際に家族で勤務している方が20組近くもいるとのお話を聞いて、人材採用に悩む企業の解決の糸口となる施策がここにあると思いました。

社員と交流を図る活動のひとつとして、ちょうど見学会の前日に、工場で夏祭りイベントが開催されていました。社員とその家族のみでなく、地域住民を含めて、BBQのほか、食堂ホールで「みよし森の音楽会」と題して、クラシック、ジャズ、オペラなどの幅広い音楽の演奏会が開催されました。「みよし森の音楽会」は、今年で第七回となる定番イベントだそうです。見学の所々で提灯などの名残が見られ、当支部の会員の方も熊本のお肉をもって駆け付けたとのお話を聞き、その場の楽しそうな様子が伝わってきました。

「当社の課題のひとつに営業力の強化がある」と質疑応答の中で社長、会長はお話されていました。一般的な中小製造業においてもよく見られる課題ですが、すでに、海外展示会への出展、営業専門部門を持ち若手を中心に育成、部門間の人材異動など、いくつかの施策を進められています。また「どんな要望や試作開発にも応える」営業方針と、その方針を支える基盤となる技術力にも投資、強化しており、企業としてのあるべき姿をしっかりと見据えている、診断士から見ても理想的な企業であると感じました。

見学会の後は、工場でたっぷりと浴びた熱気を冷ます暑気払いの懇親会ですが、話題の中心は工場見学や説明会の様子でした。製造業支援に携わる際に参考となる実例を目にすることができ、参加した診断士のみなさんにも強い印象を残し、非常に満足度の高い見学会となりました。

(髙仲秀寿会員)