[2017/2/4]城東スキルアップコース(第9回)開催報告


暦の上では立春ではあるものの、まだまだ厳しい寒さの続く2月4日(土)、城東スキルアップコース(城東プロコン塾)の第9回講義がTKPスター貸会議室秋葉原岩本町で行われました。20名の受講生が参加しました。

今回の講義内容は、城東スキルアップ生による図書館ビジネスセミナーの開催報告、および「中小企業施策と受理されやすい申請書の作成方法」でした。

1.図書館ビジネスセミナーの開催報告

2017年1月から、城東スキルアップ生が講師となる葛飾区立図書館でのビジネスセミナーが始まりました。
先月1月には、中央図書館においては鈴木美穂子会員の「仕事のお悩み解決!実験ノート式仕事術」セミナーが、立石図書館においては布能弘一会員の「IoTの基礎と活用」セミナーが行われ、本日、その開催報告がありました。

両会員から、セミナーに参加した受講生から「会社で実践してみたい」「わかりやすかった」といった好評の声がある一方で、受講生からの質問に対する対応力の不足や、受講生間の情報共有を重視すべきだった、といった反省点があったとの報告がありました。
今回のような機会を積極的に活用して挑戦することで、中小企業診断士としてのスキルアップや経験が積めると感じたので、別の機会があれば挑んでみたいと思います。

2.「中小企業施策と受理されやすい申請書の作成方法」講義

今回のメイン講義では、独立診断士の関口大介会員を講師に迎え、「中小企業施策と受理されやすい申請書の作成方法」を学びました。

(1)中小企業診断士の仕事とは何か?

本講義の最初に、関口会員から独立を目指す会員へのアドバイスとして、独立前に“中小企業診断士の仕事とは何か”を問い直すことが重要という話がありました。

中小企業診断士の仕事には、経営に対するアドバイスや、事業のコンサルティングなどがあります。ただし、これらは他士業と異なり“独占業務”ではありません。中小企業診断士が自分自身をアピールするためには、顧客が容易にイメージできるような具体的なサービスの提示が重要となります。
このような中で、中小企業向けの補助金申請の支援は、具体的な成果物として顧客企業が各種支援策を享受できるため、中小企業診断士の提供するサービスとして、最も分かりやすいものの1つといえます。

 (2)中小企業向けの施策について

中小企業向けの施策は、主に国や地域公共団体等が実施しており、中小企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の補完を目的とするもので、経済産業省や環境省、都道府県、市町村区、業界団体など様々な団体が実施しています。
中小企業診断士として、支援先に関連する省庁や自治体の情報を継続的に確認する努力が必要だと感じました。

(3)施策の類型と中小企業診断士の関係

中小企業向けの施策への中小企業診断士の関わり方として、①専門家の派遣、②セミナーの実施、③補助金申請の支援という3つの大きな類型があり、類型ごとに中小企業診断士の関わり方も変化するという話がありました。

 ①専門家の派遣

専門家派遣は、中小企業支援団体からの依頼を受けて、顧客企業へ伺い、経営課題を解決する支援活動です。講義の中では、仕事を効率よく行うためのアドバイスなどもあり、実際に業務を行われた方ならではの体験談として非常に参考になる貴重なお話となりました。また、専門家派遣の仕事を受けるためには、支援団体と信頼関係を築くことが重要だというアドバイスがありました。
これは専門家派遣に限った話ではないように思います。関口会員の体験談から、支援団体や、他の中小企業診断士、他の士業の方々と信頼関係を築いていくことが肝要であると感じました。

②セミナーの実施

中小企業支援団体が中小企業向けに行う、様々なセミナーの講師として中小企業診断士が求められています。
最近は、低下する開業率を改善したいという国の方針から、創業・起業に関するセミナーやスクールが多く開催されています。テーマやテキストがある程度決められている中で、中小企業診断士として、どのように付加価値を高めていくか、実践的なアドバイスも交えてお話いただきました。

③補助金申請の支援

企業が補助金を受けるためには、申請時における書類審査と、その後も補助金が適切に運用されているか継続審査を受ける必要があります。
補助金申請について、中小企業診断士としての関わり方は様々なケースがありますが、最も多い支援は補助金受給を望む企業に対して、申請書の作成支援となります。講義では、申請書類作成支援のポイントや、仕事の受注の仕方などをお話いただきました。

(4)受理されやすい申請書の作成方法

補助金申請作成支援において、最も重要な要素となるのが事業計画書の作成です。事業計画書は補助金を受ける事業活動について、その内容や見通しを記述するものとなります。
書類審査員は事業計画書を見て、その事業が補助金の趣旨に適したものかを判断します。このため事業計画書は、書類審査員に対して、補助金の対象として適切かつ有効であることを説明することが求められます。
しかし、中小企業の多くはこれまでに計画書を作った経験がない、もしくは計画書を作った事があっても申請書として作った経験がなく、中小企業診断士に事業計画書の作成支援を依頼される運びとなります。

①事業計画書の考え方

事業計画書の作成では、診断士試験において学ぶ知識を活用することができます。
各種の経営フレームワークやメソッドを使い、事業計画の具体化を図り、最後に、行動計画へと落とし込むことで、精度の高い申請書となるというアドバイスがありました。

②申請書類の作成方法

本講義のまとめとして、実際の補助金申請書に基づいて、申請書への記入項目を確認しました。
申請書には、企業名や従業員数、所在地などといった基本的な情報の他に、「事業の具体的内容」「動機・きっかけ・将来展望」「売上・利益計画」などの記述が必要となります。これは、事業計画書にて策定した内容を項目ごとに分割していくことになります。

③採択後のフォロー

顧客企業との契約次第では、補助金採択後も継続的にフォローを行うケースがあります。
経験がないと業務内容が想定しづらいところです。この際にどのような業務が必要となるのか、ヌケモレなく仕事を行うための、業務のポイントを学びました。

 (5)受講後の感想

今回の講義後に改めて感じることは、中小企業診断士試験後の実務補習の重要性です。
診断報告書の作成こそが、診断業務の基本であり事業計画書にも応用されるプロセスとなります。裏を返せば、中小企業診断士に登録した人は皆、最低限のノウハウはすでに保有しているともいえるのでしょう。もし今、手の届く範囲に経営について悩む人がいるのであれば、経験や実績の不足に怯えることなく、スキルアップセミナーや実務補習で経験したことを活かして、積極的に中小企業診断士としての能力を発揮していくべきなのだと感じました。

一方で、中小企業診断士として生計を立て独立したいと願うのであれば、それだけでは足りません。今回の関口会講師の経験談からもわかる通り、仕事の機会の多くはコネクションの中から得ることになります。コネクションとはつまり信頼関係であり、信頼はひとつひとつの活動を、誠実に手抜きなく行うことで作り上げられるものと感じました。
次回は最終講義となります。中小企業診断士として独り立ちするためにも、次回の講義もしっかりと取り組みたいと思います。

4.連絡事項

(1)第10回(最終回)城東スキルアップの予定

 日 時  2017年3月4日(土) 9:30~17:00
 場 所  京橋プラザ区民館(東京都中央区銀座1丁目25番3号)
http://chuo7kuminkan.com/about/kyobashi-p.html
講義内容  9:30~15:00 工場診断のポイント 入山央会員
15:00~17:00 修了式
(終了後、懇親会開催予定)

(2)次回の課題

1名あたり5分で自分自身の修了後の中小企業診断しとしての活動計画もしくは事業計画の発表を行います。スキルアップの講義をもとに診断手法をまとめる形でも良いです。A3用紙1枚で作成して30部印刷してきてください。
(藤澤啓明会員)