[2017/10/21] 「日本でいちばん大切にしたい会社」セミナー開催報告


10月21日(土)、葛飾区立立石図書館研修室にてビジネスセミナー「日本でいちばん大切にしたい会社」が開催されました。今回のビジネスセミナーは、葛飾区立立石図書館と城東支部が共催しています。立石図書館のビジネス利用の促進、城東支部会員が担当するビジネス相談会のプロモーションを目的に企画され、半年をかけて実現したものです。

セミナーは、第1部は法政大学大学院坂本光司教授による「日本でいちばん大切にしたい会社」、第2部は武蔵野大学竹内利明教授による「ビジネスパーソンによる図書館活用法」の2本立ての構成で行われました。

当日は台風21号か近づくあいにくの雨で受講者減が危ぶまれましたが、申込71名分の席はほぼ空席がない状態となりました。ビジネスパーソンである30代~50代の方が中心ですが、学生からご高齢の方まで幅広く、このテーマの関心の高さが伺えます。また、受講席には、坂本先生が設立された「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の第7回実行委員特別賞を受賞された「株式会社ツバサ 翼学院グループ」の芦澤和美氏もいらっしゃいました。葛飾区で唯一受賞した企業です。

冒頭では、立石図書館館長の白井早苗氏による手話を交えた挨拶とビジネス支援図書館の活動の紹介が行われました。続いて、大高直美支部長による、会社で人を大切にすること、されることについて経験談を交えての挨拶がありました。

 第1部「日本でいちばん大切にしたい会社」

坂本光司教授は、法政大学大学院政策創業研究科教授を務める傍ら、著書「日本でいちばん大切にしたい会社」を出版し、2016年には第5巻が発売されました。8,000社にわたる中小企業の調査・研究をもとに、「人を大切にする経営学会」の創立、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」(以下「大賞」とします)の設立などの活動をしています。セミナーはこの大賞の応募基準と審査基準を中心に、人を大切にする企業についてお話しされました。

大賞に応募できる企業の条件として、従業員や取引先の雇用や安全を守ること、障がい者・高齢者に対する雇用や黒字経営を続けることで社会貢献をしていることなどがあげられます。50項目にわたる詳細な審査基準があり、定量・定性の両面から審査が行われています。特に中小企業において、これらすべてを実現させることは不可能に近い厳しい条件にも思えますが、大賞に応募し各賞を受賞する企業は、いずれも地道に身の丈あった業績向上を遂げているといいます。人の犠牲の上に成り立つ安易な売上・利益主義の経営に警鐘を鳴らし、大賞の各賞を受賞した中小企業のエピソードの数々に、受講者も驚きに包まれ、真剣な表情で聞き入っていました。最近、大企業の人員整理や過労死問題も重なったことから、中小企業のこのような取組に関心が寄せられるのでしょう。最後には、人を大切にするための具体的な経営の方法などが質疑応答され、熱気に包まれたまま、坂本教授の講演は終了しました。

第2部「ビジネスパーソンの図書館利用法」

竹内利明教授は、武蔵野大学客員教授を務めるほか、ビジネス支援図書館協議会会長として、図書館のビジネス利用を促進する活動をされています。今回はビジネス支援図書館の機能と活動を中心にお話しされました。

ビジネス支援図書館の機能として、書店では普段見ることができない書籍の活用(業種別審査辞典、東商信用録、帝国データバンク会社年鑑など)、商用データーベースの利用提供の紹介がありました。他に、ビジネス相談や、商店街の街ゼミとの連携などがあげられました。さらに、ビジネス支援図書館の向上を目指して設立された「地方創生レファレンス大賞」が紹介されました。レファレンスサービスとは、図書館司書などが、必要な資料や情報を、必要な人に的確に案内することです(葛飾区立中央・立石図書館ビジネス相談でもお世話になっています!)。この賞は、図書館と図書館利用者がもつレファレンス事例のうち、地域活性化や地域の課題解決に結びついた優秀な事例を表彰するものです。図書館が、本を読むだけ、借りるだけの存在から、膨大な知識と書籍の蓄積を武器に地域のビジネス活性化の拠点へと変化する様子を、竹内教授は熱く語られました。受講者には目新しいようで、図書館の新たな可能性に驚いた様子がうかがえたと同時に、セミナーに参加していた城東支部会員も新たな支援のヒントが得られた有意義な内容でした。

2時間のセミナーは大盛況のうちに終了しました。セミナー終了後は両講演者との個別での質疑応答や名刺交換などが行われ、最後まで熱気に包まれた時間となりました。

*当日の写真は、立石図書館より提供いただきました。
(鈴木美穂子会員)