「ぼくのゆめ☆わたしのゆめ」~子どものゆめから分かること~ 2017


既報のとおり、10月20日(金)~22日(日)、テクノプラザかつしかにて第33回葛飾区産業フェアが開催されました。そこで今回も城東支部の経営相談ブースを出展しました。
http://www.johtoh-smeca.jp/info/exhibition_2017_report/

今回の診断士ブースではバルーンレシピの交換条件として「ぼくのゆめ☆わたしのゆめ」というシートを子どもたちに記入してもらいました。結果的に合計398枚の回収を行うことができました。(昨年が281枚の回収数でしたので遥かに上回る成果でした!)

そのアンケート結果から、子どもたちの将来に対する考え方や傾向、考察をご報告いたします。

回答数は多いものの「票の偏り」が発生!

男子179名(45.0%)、女子195名(49.0%)、不明24名(6.0%)という結果でした。顕著な点としては、小学3年生の回答が突出していたことが挙げられます。
この原因ですが、この葛飾区産業フェアは毎年初日(金曜日)に区内小学校の慣例行事になっているようです。つまり、社会見学のようなものだと思われます。
そのさいに、小学3年生の団体が我々のブースに集中的に訪れたということでしょう。

さて、アンケートシートですが、おおよそ通常の調査であれば「選択回答式」だと思いますが、当ブースではクレヨンを用意して白紙シートに自由に記入してもらいました。その方が子どもたちの考えをダイレクトに把握できると考えたからです。

そのようにして自由記入で描かれたアンケート398枚を後日一枚一枚チェックしていき、内容を明文化していき、まずは業種別に近い大分類分けを行い、さらに細分化した中分類分けを行いました。

まずは全体数の「大分類」確認を行います。(その際、有効回答数は396になりました。)

■【全体:大分類】昨年度と同様に高い「スポーツ」票!「その他専門職」「職業以外の願望」など多様化傾向へ!

※「職業以外の願望」とは「考え中」「速く走りたい」など職業とは離れた回答を集約しました。
※「偶像(キャラクター)」とは、架空のキャラクターや物体等、現実離れしたものを集約しました。

全ての回収アンケートから読み取った将来の夢として、昨年同様に「スポーツ」が70票と最も多かったです。
一方で、次点は様々な専門職をまとめた「その他専門職」が54票、3番目は「職業以外の願望」が43票ということから、子ども間において将来の仕事に関する意識の多様化が垣間見られる結果となりました。

続いて全体数の「中分類」を見てみましょう。

■【全体:中分類】「サッカー選手」に次いで、新規業種「ユーチューバー」「パティシエ」が加わる!

(2票以上に集計できる項目のみ列挙)

「サッカー選手」32票は、直近時期における日本代表戦の影響によるものだと考えられます。
注目すべきは、「ユーチューバー」19票、「パティシエ」11票など新しい職業に対して認知度が高まっている点です。
一方で、製造業関連が存在していない点は、将来的な葛飾区内事業の持続化において懸案事項であると考えます。

では、男の子に絞った結果を見てみます。

■【男の子:大分類】圧倒的に多い「スポーツ」。その他は拮抗傾向!

男の子に絞った大分類分けを行い、集計を行いました。
昨年同様に「スポーツ」が58票と最も多かったのですが、次点は様々な専門職をまとめた「職業以外の願望」が26票でした。
具体的な将来像が漠然としている印象を受けます。

■【男の子:中分類】「サッカー」「ユーチューバー」「野球」!

「サッカー選手」28票、「野球選手」15票など、スポーツ関連職は、定番の人気職業です。
注目すべきは、「ユーチューバー」16票が突出して高い票を獲得している点が挙げられます。男の子はメディアの影響を受けやすいのでしょうか?

続いて女の子の傾向を見てみます。

■【女の子:大分類】多様性のある専門職と定番職業がならぶ!

女の子に絞った大分類分けを行い、集計を行いました。
様々な専門職へのあこがれが多く、個性的な記載が目立ちました。
その中で、次点である「飲食産業」25票や、「教育産業」25票、「小売産業」20票など定番の回答も依然として高い人気であるといえます。

次に女の子の中分類です。

■【女の子:中分類】「女の子ならでは」がズラリと並ぶ!

上位から、「ケーキ屋さん」16票、「デザイナー」12票、「パティシエ」10票、「ピアノの先生」6票はいかにも「女の子ならでは」の定番の職業であるといえます。
また、下位を確認してみても、若干流行に影響される箇所はありますが、総じて定番の職業を選択する傾向が見て取れます。

尚、性別ではなく小学生を低学年と高学年に分けたデータを作成してみました。
まずは低学年のまとめから入ってみたいと思います。

■【小学生低学年:大分類】圧倒的に多い「スポーツ選手」63票!その他は拮抗!

小学生低学年(1~3年生)に絞った大分類分けを行い、集計を行いました。

昨年同様に「スポーツ」が63票と最も多かったのですが、次点は様々な専門職をまとめた「職業以外の願望」が39票でした。次いで「メディア・芸能」34票、「飲食産業」31票という結果でした。

■【小学生低学年:中分類】全体傾向と変わらず!

特定学年(3年生)に偏った結果となったため、全体の中分類とほぼ同一の結果となりました。

つづいて高学年を見てみます。

■【小学生高学年:大分類】全体的にバラつき傾向!将来について現実的に考えるためか!?

小学生高学年(4~6年生)に絞った大分類分けを行い、集計を行いました。

票がバラついている印象を受けますが、職業に対して現実的に考えている傾向だと考えます。

■【小学生高学年:中分類】全体的にバラつき傾向!将来について現実的に考えるためか!?

高学年アンケートでは、女の子の回答が多かったため、中分類分けにおいても傾向がみてとれます。
尚、回答数は少ないものの、「ユーチューバー」3票があることから、現実的職業としての認識も高いと考えます。

■今後考えること

葛飾区はものづくりの町として、多くの製造業、町工場を有しております。
しかし、今回の子どものアンケートでは、将来の仕事として「ものづくり(製造業)」を目指したものがほぼ皆無に等しい状況でした。これは将来の街づくりにおいて大きな懸念事項となります。

仮説として考えられることは、子どもたちの日常生活や社会活動において「製造業」との接点が薄いことが挙げられるのではないでしょうか。特に中学生、高校生になるにしたがって接点が薄くなる傾向が高いと考えます。

我々中小企業診断士がこのような区内、地域産業の将来的課題に尽力できる余地はまだまだ多くあるはずです。
(横山 和志会員)