[2018/08/04] 城東スキルアップコース(第3回)開催報告


2018年8月4日、連日続く激暑のなかで城東スキルアップコース2018の3回目が、京橋プラザ洋室2号室で20名の受講生の参加により開催されました。
この日は、午前中に「図書館セミナー1」と題し、城東スキルアップのOB、OGが活躍している葛飾区図書館セミナーについて、鈴木美穂子会員より講義がありました。午後からは大高東京協会副会長により「人事戦略 ~競争に勝つための、そして働く人に納得感がある~」と題し、人事戦略についての講義とグループディスカッションがありました。

(1)図書館セミナー1

近年、都道府県や市町村などの公立図書館では、ビジネス支援の活動が盛んに実施されています。これまでの単なる蔵書の貸出だけではなく、図書館に資源として蓄積された膨大なナレッジや司書の検索能力を活用したビジネス支援が行われるようになりました。

東京都診断士協会城東支部では、活動エリアである葛飾区が実施しているビジネス支援に協力し、城東スキルアップのOBやOGを中心としてビジネスセミナーや創業支援、ビジネス相談など様々な活動を行っています。その中で城東スキルアップの目玉として、OBやOGが毎年多数登壇してきた東京都葛飾区の図書館セミナーについて、鈴木美穂子会員から講義が行われました。今回は図書館セミナーシリーズの第1回として、概要や主旨、セミナー登壇までの業務内容、セミナーコンテンツの作り方などを、実際のセミナー実務者であり登壇者でもあった鈴木講師から、実情を踏まえた臨場感のある熱のこもった講義が行われました。

葛飾区立図書館セミナーの概要については、区民に対する行政サービスの一環としてのビジネス支援であることを忘れないようにとアドバイスがありました。
セミナーコンテンツの作り方については、参加者が眠くなる理由について、専門的な情報の羅列ばかりではダメなどと、実例を出しながら丁寧な解説が行われました。こちらの伝えたいことをただ言うのではなく、相手(受講者)の興味があり耳を傾けてくれる内容にしなければいけないことなどをアドバイスされました。
そのあとに、城東スキルアップ2017年受講生で実際に葛飾区立図書館セミナーに登壇された原慎之介会員と加藤晃秀会員から、セミナー発表までの試行錯誤の苦難の道のりについての体験談がありました。セミナーの企画案作成から事前練習、発表当日までのリアルな工程を、臨場感たっぷりに話してくださいました。
外部での登壇の機会が存在することと、その登壇の場に立つためのコンテンツの作り方についてセットで学べるとても良い時間でした。人前でしゃべる機会、それも会社の人でも知り合いでもない人の前で話す機会なんて、めったに存在するものではなく、これは非常に貴重な機会だと感じました。また「伝える」ということの難しさ、「伝わる」ということとの違いを考えさせられました。これからの診断士活動に活かしていきたいと思います。

(2)講義:人事戦略~競争に勝つための、そして働く人に納得感がある~

午後からは、大高東京協会副会長による「人事戦略」の講義が行われました。

人事戦略は、企業の経営目標を達成するために「ひと」を目標達成に向かわせる必要があるという中で、企業が取ることのできる戦略の一つです。昨今の「働き方改革」や「少子高齢化」などの影響で、これまでの日本的な労働体系は崩れてきており、大企業だけではなく中小企業にとっても採用、人事評価など再構築が必要となってきます。
社会保険労務士や弁護士との住み分けや法的制限もあって、積極的に行動できない部分もありますが、中小企業診断士として人事戦略の概要を理解しておくことは非常に重要であると説明されました。
また人事関連の知識としては、労働条件通知書、就業規則、解雇などがあり、これまでの日本的雇用形態から非正規雇用や委託など、新しい労使関係など多岐にわたる内容を説明されました。
その後、ここまでの講義内容を踏まえてグループディスカッションを行いました。ディスカッションテーマは「会社員の副業はどこまでOK?」です。3~4人程度のグループに分かれ、議論をおこない、各班代表者から1~2分で発表が行われました。受講生の多くが企業内診断士ということもあり、副業禁止の規定がある人が大半でしたが、中には会社の承認があればOKという方もいらっしゃいました。副業を行うにあたり、現職での減収分の補填になるといった肯定的な意見もある一方、現業にあたえる影響を懸念する意見や現就企業の姿勢や対応が問われるといった意見も出るなどあり、短時間でしたが積極的な議論で実りあるものとなりました。
最後に、「人事データ分析講座」としてExcelでのデータ分析の講義が行われました。実際にパソコンを使ってExcelの機能の一つである「ピボットテーブル」によるデータ集計を実習しました。受講生は演習課題を一つ一つ進めていくことにより、手順を把握しました。
「働き方改革」、「副業」、「非正規雇用」、「就業人口減少」と昨今の日本の労働環境は大きく変化してきています。そうした環境下で、中小企業も当然人材を確保し雇用していかなければなりません。環境の変化に対応できなければ企業経営自体が成り立たなくなってきます。もう既に一端は現実のものとして表れてきており、実際に人手不足で廃業などせざる得ない企業なども存在し始めています。我々中小企業診断士も、人事や労務、人材戦略の知識を十分に持ち、企業経営の継続や発展の手助けをしなければならないと感じました。

(3)懇親会

さくら水産銀座三丁目店で行われました。大高東京協会副会長や鈴木美穂子会員など当日講義を行った方も参加いただき、出席者は講義中ではできなかった質問などをそれぞれに熱心に行っていました。何より銀座にさくら水産があることに驚き、家賃に見合った売り上げが確保できているのかどうか知りたくなった参加者がいたとかいないとか。
ご多忙のなか、足を運んでいただいた城東支部の関係者の皆様には感謝いたします。

(4)次回の城東スキルアップコース

日時:2018年9月1日(土)9時30分から16時30分
場所:中央区京橋プラザ区民館 1号洋室
課題図書:コトラーの「戦略的マーケティング」
講義:経営戦略と営業戦略~経営戦略と一貫性のある営業戦略の考え方~(村上一幸会員)

 

(森 順也 会員)