[2019/02/02] 城東スキルアップコース(第9回)開催報告


2019年2月2日土曜日に京橋プラザ区民館にて、城東スキルアップコース第9回が開催されました。

IoTによる新たなビジネスモデルの創出 ~つなぐ、ためる、創り出す~

本日、1つ目の講義は、堀尾健人会員による講義「IoTによる新たなビジネスモデルの創出 ~つなぐ、ためる、創り出す~」でした。

IT利活用の変遷、IT利活用の現状

IoT、インダストリー4.0、M2Mなどのキーワードの解説とともに、ITの急速な技術革新によりデータの蓄積と活用の幅が拡大しており、今後はIoTやAIなどの更なる進化が産業構造に変化を促し、ビジネス環境は急激に変化しているという話がありました。また、そのような環境の中で、従来の社内の業務効率化・コスト削減を中心とした「守りのIT経営」から、ITの活用によるビジネスモデル変革、IT投資・利活用による新たな価値の創出や競争力強化を目指す「攻めの経営」の推進が求められるということでした。

 

拡大するIoT市場

世界中でAI・IoTの普及が進み、IoTデバイス数は2017年約270憶個、2020年は約400憶個(予測)、市場規模も2022年ドで3.2兆円と予測されており、あらゆる製品にセンサーと通信機能を組込むIoTにより社会・暮らし・ビジネスが大きな転換期を迎えているそうです。この背景には、センサーの小型化と低価格化、デバイスの高速化と低価格化、クラウドサービスの急成長が挙げられ、業界を超えた協創により新たなサービスを提供し、事業を拡大するビッグチャンスであるそうです。特に、IoT機器からの得られる様々なデータを異なる業種で相互流通・活用するビジネスモデルの構築こそ企業が生き残る道であると強調されました。

 

IoT普及に伴う課題

IoT普及に伴い、最大の課題はセキュリティー対策です。想定されるリスクの代表例は、①管理者不在のモノがつながり続ける、②モノがサイバー攻撃の踏み台にされる、③機密データや個人情報が盗まれる、④ロボットや無人機が犯罪やテロに使われるなどが挙げられ、どの事象も発生すれば我々の生活に重大な影響が発生します。そのような中、セキュリティー対策の有効手段について分かりやすく解説して頂きました。

 

デジタライゼーション(AI)の目的は?

最後に講師より、デジタライゼーション(AI)の目的と中小企業診断士に対するメッセージを頂きました。「デジタライゼーションをするには人間が人間にしか出来ないアナログ仕事に集中するためであり、現場で人間にしか出来ないアナログ仕事の代表は業務の改善です。業務を改善し続ける人がナレッジワーカーであり、指示された業務をし続ける人はマニュアルワーカーです。マニュアルワーカーの仕事は将来機械に奪われる可能性が高いため、中小企業診断士の皆さんはナレッジワーカーを目指しましょう。」とのメッセージを頂きました。

 

受講の感想

IoTビジネスについて様々な視点(市場分析、将来像の提示、具体的な導入事例、普及の課題等)で分かりやすく解説して頂き、私自身、中小企業診断士としてクライアントに対するITコンサル技術を習得出来たと思います。また、本業においても新規事業開発等の検討の際にも本講義で学んだ知識を最大限活用していきます。

 

事業承継~事業承継の基本と診断事例~

本日、2つ目の講義は、森下真一会員による「事業承継~事業承継の基本と診断事例~」でした。

中小企業を取り巻く環境

次に中小企業における事業承継を手掛け、実務に大変詳しい森下真一会員の講義がありました。

中小企業庁の描く衝撃的なシナリオによると、日本の企業の3社に1社、127万社が2025年に廃業危機を迎え、6割以上の経営者が70歳を越え、半数の企業で後継者が不在であり、大廃業時代が足音を立てて迫っているそうです。

更に、東京商工リサーチによれば、廃業する企業の約半数が経常黒字であり、後を引き継ぐ者がいないため、仕方なく廃業を選ぶ経営者が増加しているということでした。このことをしっかりと認識して、中小企業診断士として出来ることは何かを自分なりに考えて欲しいと、森下会員の実務における豊富な実体験を交えて、熱いメッセージを発信されました。

 

承継しなければならない3つモノ

承継しなければならない3つのモノとして、①経営「人」の承継、②財産の承継、③知的財産(資産)があるとのことでした。また、経営(人)の承継においては社長の「経営力」「経営権」、財産の承継では自社株式の承継、知的財産(資産)の承継では会社の「組織力」「ブランド」「技術力」「ノウハウ」「取引先とのコネクション」などがあるとのことでした。これらが重要であることを認識し、中小企業経営者の意向を把握しつつ、士業(税理士・弁護士等)と連携しながら、自らのスキルを活かせる分野で中小企業支援を実施して欲しいとのメッセージを発信されました。

 

企業価値の算定(株式価格の算定)

上場していない会社の株価を評価する場合には客観的な数値がないことから、国税庁が作成している「財産評価基本通達」の「取引相場のない株式等の評価」に基づいて評価し、同族株主のいる会社と同族株主がいない会社に場合分けして、実例を基づいて、分かり易く説明がありました。

 

様々な支援策

国・東京都・区市町村単位での具体的な事業承継支援策を提示され、それぞれの特徴を分かり易く解説されると共に、支援策の調べ方など、明日から中小企業の経営者様へご説明できるような実践型の観点で説明がありました。

 

受講の感想

実務経験豊富な森下会員の実践的かつ分かり易く明朗な講義により、中小企業の取り巻く厳しい環境を踏まえ、事業承継の重要性・必要性を再認識すると共に、中小企業診断士としてどのような支援が出来るかを学べ、深く考えるきっかけになりました。私自身の今後の中小企業様支援時においては、森下会員より学んだ本日の講義内容を活用していきたいと考えております。

 

最後に

このように1回のセミナーの中でもプロコンとして必須の診る・書く・話すスキルを磨く機会あり、コンサル活動を支える知識や心構えまでを一流の講師や現場を知り尽くした専門家から習得することができます。中小企業診断士の養成講座として、様々なプロコン塾(プロフェッショナルのコンサルタントを養成する塾)が開催されていますが、このように充実した内容でありながら協会中で最安値の城東スキルアップはコストパーフォーマンスが抜群です。初夏から始まる今年のコースにも、城東スキルアップのすばらしさに気付き多くの受講生が集まることと思います。

 

城東スキルアップ講座について

2018年度の城東スキルアップコースも全10回のうち今回で第9回目を迎え、いよいよ残り1回になりました。これまでの講義内容を振り返えると、実務経験豊富な会員(プロコンサルタント)による非常に質の高い講義内容ばかりでした。

テーマも、①知的資産経営、②人事戦略、③経営戦略、④リスクマネジメント、⑤創業支援、⑥公的支援制度(補助金・助成金)、⑦海外進出支援、⑧インバウンド対応、⑨事業承継、⑩IT活用など、中小企業診断士として押さえておく、知識が一通り学べました。講義形式も大学教授のようなテキストをひたすら読むような一方的で知識詰込み方ではなく、会員の豊富な実務経験を踏まえたディスカッションや個人・班でのワークショップや個人発表の実施など、テキスト内容を超えたより実践的な形式になっており、今後の活動につながる知識の取得や経験ができたと感じます。

また、各会員(プロコンサルタント)のプレゼンテーションスキルも秀逸であり、講義を通じて、プレゼンテーション能力を高めることが可能です。城東スキルアップでは、①基本知識の取得、②実践スキルの取得、そして③プレゼンテーションスキルの取得と盛りだくさんで非常に勉強になりました。

更に、実務経験豊富な会員(プロコンサルタント)の指導のもと、実務従事も3回程度経験することができ、学んだ知識を実践にも活かすことができたり、図書館セミナーとして自らが講師となり一般のお客様に対して講義をしたりなど、様々な機会も存在します。

なにより、約1年間共に講義を受ける志が高い同期の仲間を得られることは人生における最大の財産です。会社だけでの生活では得ることが出来ない貴重な機会です。私自身、今回出会えたメンバーとはスキルアップ卒業後とは一緒に中小企業支援活動を実施したいと考えています。

 

次回の内容(城東スキルアップ第10回目)

日時 日時:2019年3月2日 9:30-17:00
場所 京橋プラザ区民館 1号室
東京都中央区銀座1丁目25番3号
TEL:03-3561-5163
アクセス:都営浅草線宝町駅A1出口 有楽町線新富町駅2番出口
http://chuo7kuminkan.com/about/kyobashi-p.html
講義内容 9:30-15:00 工場診断のポイントIT活用支援 講師 入山央会員
15:00-17:00  成果発表/修了式

(佐野雅啓 会員)