[2020/1/11]城東スキルアップコース(第8回)開催報告


令和に改元されて初めてのさわやかな新春のなか、1月11日(土)、第8回城東スキルアップコースが中央区京橋区民館で行われ、受講生20名と見学者2名が参加しました。

今回のプログラム内容は以下の通りです。

  • 課題図書 M.バウワー著、マッキンゼー経営の本質
  • 経営革新計画、講師:吉岡雅樹会員
  • 診断事例(事業承継、M&A、事業再生)、講師:大石正明支部長、近藤尚樹会

 

1. 課題図書 M.バウワー著 マッキンゼー経営の本質

今回が4回目となる課題図書の発表です。受講者全員が同じ課題図書を読み、その経営理論の全体像をA3サイズ1枚に纏め、3分間で発表しました。
今年度のスキルアップコースで最後の課題図書ということで、課題図書「マッキンゼー経営の本質」の内容に加えて、全4回の課題図書を通じて学んだことや感想を述べる受講生が多くいました。受講生は皆、課題図書への取り組みを通じて、互いに良いところを参考にし、回を重ねるごとに、「話し方」「発表の内容」「資料のまとめ方」のレベルが上がってきたことを実感しました。
受講生全員の発表後にグループで振り返り、各受講生が課題図書を通して多くの気づきや学びを得たことを確認しました。

2. 経営革新計画  講師:吉岡雅樹会員

午前中2つ目のプログラムは、「経営革新計画」について吉岡雅樹会員にご講義していただきました。
経営革新計画は、中小企業が新たな事業活動に取り組み、経営力を向上するために実施する計画です。経営革新計画が認定されると、税制や融資での優遇に加え、各種補助金申請時に加点の対象となることがあるため、補助金申請支援のポイントも説明いただきました。
昔話「笠地蔵」を中小企業に見立てて、事業計画の重要性を学ぶワークなども交え、非常にわかりやすく解説いただきました。
補助金申請支援に挑戦したいという受講生も多く、講義後には多くの質問がありました。受講生にとって、短い時間で経営革新計画と補助金申請時の実践的なポイントを把握することのできる大変に有意義な講義でした。

3. 診断事例(事業承継、M&A、事業再生)

事業再生、講師:大石正明支部長

午後は、まず大石支部長より、診断事例として「事業再生」「事業承継」についてご講義いただきました。
「事業再生」の講義では、事業再生に用いられる手続きや、事業再生のプロセスについて、大石支部長のご経験や実例を交えて、わかりやすくご説明いただきました。事業再生では、中小企業診断士は企業と金融機関の間に立って、企業の経営の安定化を図るための支援をします。その際の留意点や実践的なポイントを解説いただきました。事業再生の必要な企業の財務諸表の例を用いて、受講生が問題把握や改善策を考えるワークや、具体的な事例解説を通して、事業再生の支援する際のポイントの理解を深められました。

事業承継、講師:大石正明支部長

続く「事業承継」の講義では、まず、中小企業の事業承継が進まないために、廃業する企業が増えている現状の解説がありました。多くの中小企業では後継者の不在や経営者の高齢化により、事業の承継ができず、維持、伝承されるべき雇用や技術などが途絶えてしまうという重大な危機に直面しています。
東京都の代表的な工業集積地であり昔からの事業所が多い城東地区でも事業所数が年々減少しており、葛飾区では工業者の事業所数がここ10年間で約6割に減少しているということで、非常に危機感を感じました。
また、黒字経営にもかかわらず、事業承継の進め方や実情に対する認識が不足しており、事業承継の着手を先送りしたために後継者を確保できなかったケースや、相続の問題で事業承継したくてもできなかったケースのお話もあり、早めに事業承継の計画を立て、事業承継に向けた問題を洗い出して対策し、着実に事業承継できるよう支援していくことの重要性を実感しました。
グループワークでは、将来的に事業承継を考えている事例企業に関して、経営における懸念材料や社長の家族構成、財産の内訳、相続させたい遺産の内容に基づき、事業承継に向けた問題点と対策を各グループで検討しました。
様々なアイデアにあふれる各グループの検討結果や大石支部長の解答例を通じ、事業承継の対応策に正解はなく、色々なアプローチで考えた上で社長と話し合い、税理士など他の専門家と連携をして、事業承継に向けた対策を計画的に実行することが重要であると思いました。

M&A、講師:近藤尚樹会員

続いて、午後の最後のプログラムとして、近藤尚樹会員よりM&Aについてご講義いただきました。
日本におけるM&Aの件数は増加傾向であり、事業承継に係るM&Aは未公表のものを入れると直近では4,000件ともいわれており、事業承継の方策としても重要なテーマです。
講義では、M&Aのプロセスや、中小企業の企業価値評価などをご解説いただきました。特に、近藤会員のご経験を踏まえた、「売り手側」と「買い手側」それぞれの場合のM&Aプロセスや重要ポイント、リスクなどの解説は、受講生にとって有意義な内容でありました。
事業承継やM&Aに中小企業診断士が関わる際には、金融機関、弁護士・税理士・会計士等の他の士業、M&Aなどの専門事業者との連携が必要ですが、事業承継やM&Aに関する知識をある程度有していないと他の専門家とスムーズに連携できないと実感しました。

4. 第8回城東スキルアップコースの感想

全10回の講座の8回目を終え、スキルアップ受講生がそれぞれレベルアップしてきていることを強く実感した会となりました。
特に、課題図書は今回が最後の4回目となり、第1回の課題図書の発表の時と比較すると、皆さん聴講者の方に目線を送りながら、自分の考えや経験を交えた聞きごたえのある内容となっていました。4回の課題図書を通じて学んだことを、今後の診断士活動に活かしていきたいと思います。
講義の内容も、講師の先生方のご経験に基づいた実践的なポイントの解説が盛りだくさんで、多くの学びを得られました。
いよいよ城東スキルアップコースも残り2回となりました。あと2回で終わってしまうのが寂しい気もいたしますが、次回も貴重な学びの機会を得られることが楽しみです。

第9回の予定

日時 2020年2月1日(土) 9:15-16:45
場所 京島第二集会所(きらきら会館)
東京都墨田区京島3-52-8
ホームページ:
http://sumida-machi.or.jp/conventioncenter/cc1/京島第二集会所/
アクセス ・京成押上線 曳舟駅下車 徒歩10分
・都営バス 橘通り(里22)下車 徒歩2分
・区内循環バス 北東部ルート 下町人情キラキラ橘商店街入口下車 徒歩4分

(木村和広会員・横澤希会員)