[2021/1/9]第8回城東スキルアップ開催報告


1月9日(土)、第8回城東スキルアップが行われました。新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえて、完全オンラインで開催され、24名の受講生が参加しました。

今回のプログラムは次の通りです。

1. 商店街支援(講師:大和和道氏)

2. 診断事例(事業再生、事業承継、M&A)(講師:大石正明支部長、近藤尚樹会員)

1. 商店街支援 (講師:大和和道氏)

最初の講義は「商店街支援」です。「下町人情キラキラ橘商店街」(正式名称:向島橘銀座商店街協同組合)で長年商店街活動をけん引されてきた大和和道事務局長にご講義いただきました。

全国各地の商店街は減少傾向にあり、特に地域住民を顧客とする近隣型の商店街は厳しい状況が続いています。これは地方だけの問題ではなく、東京も例外ではありません。

しかし、大和和道氏が事務局長を務める「下町人情キラキラ橘商店街」は近隣型ながら、2013年度には中小企業庁の「がんばる商店街30選」に選定されるほど活気と工夫に溢れた商店街です。講義では大和氏が長年行ってきた数々の施策や苦労について、熱くご説明いただきました。

例えば、大和氏が20代の頃、新たな取り組みとして「朝市」を始めようとしますが、当初は理事会からの十分な協力を得られませんでした。そこでまずは若手が中心となり、熱心に一店一店説明して回り参加店舗を募りました。地道な努力を続けた結果、110店の参加にこぎつけ、成功をおさめました。これは39年前のことですが、毎月第4日曜日の恒例イベントとして「朝市」は続いています。

また、新たな商店街活動に独自に取り組んだ例として「キラキラ橘つまみぐいウォーク」が紹介されました。千葉商科大と連携し、学生のアイデアと商店街の魅力をマッチさせ、あらたな顧客を発掘することに成功しました。そのほかにも、食品スーパーの誘致、商店街のアイドルユニット結成など、様々な施策で商店街の課題を解決してこられました。これには、受講者の心も熱くなりました。

一方、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響により従来のイベントを中止せざるを得ない中、各店舗では安心安全な取り組みとして換気等の対策を実施し、商店街全体では横断幕やチラシを作成し来場者に感染拡大防止を呼びかけ、またイベント開催時には人数制限と参加者の氏名住所の登録制など徹底した感染防止対策を行い新しい生活様式を踏まえた新しいスタイルの商店街イベントが実施されています。

地域住民の変化、ライフスタイルの変化によって、商店街も変化する必要があります。昔のままではなく、商店街と個店の魅力を活かしたアイデア、外部の人々を巻き込む力、そして実行力が商店街活性化には必要だと感じました。

2.診断事例(事業再生、事業承継、M&A)

〇事業再生、事業承継(講師:大石正明支部長)

次は、大石支部長より、診断事例として「事業再生」「事業承継」についてご講義いただきました。

まず「事業再生」の講義では、事業再生の必要な企業の財務諸表を使った個人ワークから始まりました。その後、事業再生のプロセス、金融機関との間に立ち経営安定化に導くための対応など、すべて実例をふまえてわかりやすく説明していただきました。

事例とそれを抽象化したフレームワーク、プロセスを交互に解説いただくことで、中小企業診断士としての知識や現場対応の留意点について理解を深めることができました。

続いて「事業承継」です。事業承継は最近の中小企業白書にも取り上げられており、日本の中小企業全体の課題となっています。中小企業診断士としても大いに貢献できる領域です。

実情として、事業承継の知識や認識が乏しく着手が遅れるケース、相続の問題で事業承継が困難なケース、経営者の想いや家族間の問題など様々な課題があります。また、事業承継を進めるにあたっては様々な方策があり、弁護士、税理士、司法書士といった他の士業の方々との連携も必要です。

講義では、事業承継に必要な税制などの知識、事業承継のステップ、事業承継の留意点などを具体的に説明していただきました。

グループワークでは、ミニ事例をもとに事業承継の課題を洗い出しました。受講前は理解不足だった事業承継も、講義いただいた内容を活かして、各チームで課題を的確に抽出することができるようになりました。

事業承継は、経営全体をサポートする中小企業診断士の役割がカギになると感じました。社長の想いと企業の課題を洗い出し、計画作成をサポートすることで、堅実な事業承継に貢献したいと思います。

〇M&A(講師:近藤尚樹会員)

最後に、近藤尚樹会員よりM&Aについてご講義いただきました。

M&Aは、企業グループ内の組織再編に利用されることもありますが、第三者への事業承継としてのM&Aもあり、中小企業にも重要なテーマになってきています。

しかしながら、多くの診断士にとってM&Aの支援はハードルが高く、経験することの少ない分野の1つといえるのではないでしょうか。

本講義では、圧倒的な情報量の資料とともに、近藤会員のご経験を踏まえて解説いただきました。実際のM&Aのフローや中小企業の企業価値評価、「売り手」側と「買い手」側それぞれのM&Aの着目ポイントなど、実践的で有意義な情報満載の講義となりました。

事業再生、事業承継、M&Aは、高い専門性が必要です。それぞれに関する最低限の知識を有し、金融機関や弁護士、税理士等の士業、専門家のスムーズな連携をとることが大切であると感じました。

3. オンライン新年会

2021年最初の開催にあたり、講義後は希望者によるオンライン新年会も開催されました。講義の時間内に聞けなかった質問など、講師を交えた情報交換が楽しく行われました。

 

4. 感想

新型コロナウイルス感染拡大による2度目の緊急事態宣言下での開催となりました。講師や事務局のみなさまの迅速な対応のおかげで、オンラインで受講することができました。講師の方々のご経験を基にした講義は、実践的な学びと知識を得られる貴重な場でした。本当にありがとうございました。

城東スキルアップもあと2回となりましたが、不安な社会情勢と寒さに負けない熱意をもって臨みたいと思います。

5. 次回(第9回)の予定

【日時】2月6日(土)9:15~16:45

【会場】調整中

【講義内容】

9:15~10:45 課題図書発表 M.バウワー著「マッキンゼー経営の本質」

10:45~11:45 農業支援と6次産業化 講師:河野悟会員

12:45~14:45 中小企業のIT支援 講師:高仲秀寿会員

14:45~16:45 訪日外国人対応 講師:井上朋子会員

(杉村宏之会員、前島瑞希会員)