[2021/3/6]第10回城東スキルアップ開催報告


 寒さも緩み、本格的な春の訪れを感じる3月6日(土)に、第10回の城東スキルアップが開催されました。今回で最終回となりますが、新型コロナウイルス緊急事態宣言下のため、ZOOMを使ったオンライン開催となり、22名の受講生が参加しました。

今回のプログラムは次の通りです。
1.工場診断と品質管理
2.成果発表/修了式

1.工場診断と品質管理(講師:小田原清会員)
 講師の小田原清会員は、大手化学工場での豊富な実務経験を有し、品質管理の専門家としてさまざまな企業の支援をされています。4時間にわたる講義は、私たち受講生を鼓舞する熱いものでした。配布されたテキストの冒頭には、工場からの診断依頼に不安を感じる診断士が多いことを踏まえて、「工場を診るポイントを押さえ、問題点を摘出し、課題を見つけ、解決するための考え方についての基本を学ぶ」という目的が明示されています。

(1)講義内容
 講義は、「企業経営の基本」「企業における工場の役割」「工場の日常管理とコストダウン」「工場のレイアウト検討」「経済性分析」「品質管理について」の項目が取り上げられ、実例に基づいた具体的で実践的な内容で進められました。
 まず、企業経営の基本について触れたあと、工場の使命は、QCD(品質、原価、納期)と4M(ヒト、モノ、設備、方法)、そして安全を管理することであると強調されました。特に安全管理については、具体的な統計や事例を交えながら、「従業員の命と家族の幸せを守る活動」として、経営者と従業員が同じ価値観を共有すべきとのお話は、企業存続の根本に関わる重要なこととして心に刻みました。また、診断士として工場を訪れたときは、安全に関して気になったことがあれば、相手に伝えるべきだとのご指摘もありました。
 工場の日常管理とコストダウン、工場レイアウトの検討、経済性分析については、どこの生産現場においても共通する管理・運営上の視点について、実例を交えて体系的に説明されました。工場診断をする上で、これらをしっかりと頭に入れておけば、業種が何であれ対応ができるようになると思いました。
 次に、品質管理について詳細に解説をいただきました。製品の品質に対する要求が時代とともに変わっていることについて、最近の実例も交えて説明され、実感することができました。「ものづくり日本」の総合的品質管理(TQM)は、いまや世界の標準になっており、「品質管理」を習得していない企業は、遠からずグローバル競争で立ち行かなくなるとの正鵠を射たご指摘は、大変重く感じました。
 最後に「TQMは最先端の経営戦略である」との言葉は、非常に説得力があり、品質管理に対する捉え方を新たにしました。

(2)ワークショップ
 講義の最後は、「『日本の労働生産性は先進国の中で、なぜ低いのか』について特性要因図を作成する」のテーマでワークショップが行われました。
このテーマは事前に提示されており、6つのグループに分かれた受講生が議論した結果を持ち寄ることになっていました。当日は約20分のグループ討議を行った後、約3分の持ち時間で発表を行いました。

 各グループは、「ヒト、モノ、カネ、情報、PEST」や「GDP、就労者数、労働時間」、「社会インフラ、組織・仕組み、数値の信頼性、企業(製造業・非製造業)」などの切り口から解析され、同じテーマでも多様性が見られて大変興味が湧いたワークでした。
小田原会員からは、総括として、「各グループとも真剣に取り組んでいるのが見受けられたので良かった。こうした問題は単純ではない。多面的に考えることが重要だ」と、いろいろ考えることの重要性を教えていただきました。

2.成果発表/修了式
(1)成果発表
 今年度の「城東スキルアップ」のまとめとして、「スキルアップ受講の振り返りと今後に向けたアクションプラン」をテーマに受講生それぞれが3分間の発表を行いました。

皆さんの発表を聞いて、受講生の仲間がどのような想いでこのコースを受講したのか、講義で何を得たのか、今後自分がどのように活動をしていきたいのかが良く伝わりました。

(2)修了式
 例年であれば、大石支部長より一人ひとりに修了証を授与されるところでしたが、オンライン開催のため、別途郵送にて拝受となりました。

 大石支部長からは、城東支部で取り組んでいる社会貢献活動や実務従事副指導員の拡充、朝の勉強会、地方自治体の支援活動などの取り組みに、積極的に参加してさらに研鑽を積んでほしいとの激励を受けました。
 入山能力開発推進部長からは、「機会があれば躊躇なく手をあげて、その仕事をやり通すことで、経験と信頼が積み重なる。そして、それが仕事の機会につながる。城東スキルアップは終了したが、これからが本番です。」と受講生の心を鼓舞していただきました。
最後は事務局の方々より、温かい言葉で締めくくられました。

3.オンライン懇親会
 城東スキルアップ終了後、オンラインによる懇親会が開催されました。約50名が参加され、先輩診断士の体験談やコロナ状況下の支援の在り方等話題が尽きませんでした。

4.感想
 今年度の城東スキルアップは、新型コロナウイルスの影響を受け、ほとんどの回がZOOMを使用したオンライン開催となりました。会場を用意した回においても、オンラインとの併用で行われ、残念ながら、一堂に会したのは第1回だけでした。
 事務局の方々は、毎回、会場を手配するのか、オンラインでの対応をどうするのか、調整に奔走され、講師の方々もオンラインか会場か、準備にご苦労があったことと思います。厳しい環境下で10回にわたるコースを受講できたのは、事務局の方々と講師の皆様のお陰であり、感謝の気持ちが絶えません。
今年度、城東スキルアップを受講したことによって、大変充実した1年を過ごすことができました。この経験を糧にさらに診断士としての研鑽を積み上げて行きたいと思います。

(内田泰裕会員、浪岡慎太郎会員、上田正史会員)