[2019/07/06] 城東スキルアップコース(第2回)開催報告


[2019/07/06] 城東スキルアップコース(第2回)開催報告

7月6日(土)梅雨空の中、城東スキルアップコース2019の第2回が京橋プラザにて行われました。この日は25人が出席。6月の第1回目はオリエンテーションだったため、二回目となる今回が実質的に初めての講座の開講日とあり、受講生の気合が会場内にはみなぎっていました。

今回のプログラムは、午前中に

①課題図書 コトラーの戦略的マーケティング

②大石支部長による「診断マニュアルと課題図書」

昼食をはさんで午後は

③細野祐一氏による「知的資産経営」というラインナップでした。

(1)課題図書 コトラーの戦略的マーケティング

400ページ近い分厚い古典的名著から「令和時代」の中小企業診断士が何を学ぶか?しかも分厚い本の書かれた内容をわずか3分で発表しなければならないという制約条件が付きます。各自、悪戦苦闘の成果を紙一枚にまとめ上げプレゼンに臨みました。

本の内容をシンプルに要約する人、独自の解釈を加えて面白くプレゼンする人…それぞれの受講生の“個性”が光る興味深い発表となりました。

中小企業診断士としてのマーケティングの最低限の知識を持つ人々が集い、1冊の本を異なる職業経験やキャリアから解釈すると、かくも多様な表現方法があるということが、大いなる「気づき」となりました。

これまでは、「受験生」として試験の合格を目指し“マーケティング”を学んできた我々が、今後は「プロ」の中小企業診断士として “マーケティング”を自らのツールとするときにどのように向き合うべきか?改めて考えさせられる授業でした。

(2)診断マニュアルと課題図書  講師:大石支部長

二時限目は大石支部長による、具体的な診断手順や手法に関する講義が行われました。

これまで、言わば自動車運転教習所で教官とともに運転していた受講生が、今後、一人で路上を運転し続けるために必要な「運転手法」や、ドライバーとしての「心得」に関しての講義がテキストに即して進められました。

プロの診断士として学び続けること、謙虚であり続けること…診断士としてだけでなく、“ヒト”としても大事な心構えを教えていただきました。

大高直美前支部長は、柔らかな語り口ながら、城東スキルアップを通じた人脈の構築や個々人のレベルアップについて熱い期待を述べられました。

 

(3)知的資産経営 講師:細野祐一氏

午後に入ると細野祐一氏による「知的資産経営」に関する講義が行われました。最近よく目にする「知的資産経営」という言葉。しかし、その意味をしっかりと説明できる受講生は少数派ではないでしょうか?まずは、「知的資産経営」に関する定義の説明から授業は始まりました。

「知的資産」と「知的財産」との違い。可視化が難しい「知的資産」の捉え方、知的資産とBSC,SECIモデルとの関係性など実践的なプロセスに関しての説明がされました。

「知的資産」とは自社の“強み”を「関係資産」「構造資産」「人的資産」等に細分化し、それぞれの強みがどのようなシナジーを発揮するのか、強みの“本質”を分析し活用する考え方といえます。

続いて、歴史的な観点からバブル崩壊後、金融機関も「知的資産」の事業性評価に重きを置きつつあること、専門的な知識を持つ立場として中小企業診断士が「知的資産」を的確に評価できる能力の向上を求められていること、などの説明がありました。

休息を挟んで、細野氏より知的資産経営支援の事例が紹介されました。

1つ目の事例はシェアハウスの企業でした。この事例企業は大手IT企業のエンジニアが立ち上げたソフトウエア企業です。破産処理中の社員寮を外人向けのゲストハウスとしてシェアハウスを展開し「知的資産経営」を導入したところ業績がV字回復したケースが紹介されました。

2つ目の事例は千葉県の小規模プラスティック製品製造業で中小企業白書にも紹介された朋友という会社の事例でした。

https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180420001/20180420001-3.pdf

細野氏が開発した「強み尖がり経営」(TM)という知的資産を活用しつつITを活用した事例として説明がありました。

「強み尖がり経営」(TM)とは、知的資産を活用し、強みを明確化、その強みをITを活用してさらに高めていき、その業務プロセスをPDCAを繰り返し、見直すことで生産性向上や売り上げの向上の精度を上げていくという考え方が紹介されました。

事例3つ目は「ローカルベンチマーク」を活用したF製作所の事例でした。裏テーマとしては新人診断士が、“筋の良いお仕事”をかぎ分けるツールとしてローカルベンチマークを活用した事例だったとのエピソードも明かされました。

「ローカルベンチマーク」とは経済産業省が提供する基本的な企業診断のテンプレートのことを意味します。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

これに即した形でインタビューを行い、基礎的な企業の簡易診断が行えるツールです。

F製作所は 城東地区にあるプラスティック製造業者です。

初期診断としてローカルベンチマークを活用して強みを抽出しました。従業員13名の製造業ですが、ワークショップなどを行い、従業員と経営者が自社の強みや会社の進むべき方向を共有することで確実に成長戦略が描けるようになり売上、利益ともに向上したそうです。

これらを含めて合計6つの「知的資産経営」を活用した企業の事例を細野氏が紹介されました。休憩をはさんでこの日最後の授業は受講生が6つのグループに分かれての「知的資産経営」ワークショップが行われました。

グループごとに、自分の興味のある企業を分析対象に選び知的資産経営を実践しました。

電力会社、システムサービス会社、テレビ会社、運送業、仮想のネット通販会社、受講生が勤務する300人規模のソフトウェアメーカーの事例など興味深い対象企業がずらり並びました。

(4)懇親会

今回の懇親会は八重洲方面で行われました。大石支部長に加え、講師の細野氏も参加し、総勢約20名の大変にぎやかな会となりました。講義だけでは話しきれなかった著名経営者の哲学や、知的資産経営を支援する上でのこぼれ話など、貴重なお話に時間が経つのも忘れて盛り上がりました。

(10)スキルアップ第2回の感想

同じ本を読んで様々な立場から考えをまとめること。その上で、自社の強みを具体的に分析し成長戦略を描くという今回の講義の手法は、社内横断プロジェクトにぜひ適用してみたいと思いました。

第2回目で早速実践に活かせる学びを得られ、第3回へのワクワクが止まりません。

 

第3回の予定

日時 2019年8月3日(土) 9:15-17:00
場所 佃区民館
東京都中央区佃2-17-8
TEL:03-3533-6951
http://www.city.chuo.lg.jp/sisetugaido/syukaisisetu/syukaisisetu13.htmlアクセス:
・東京メトロ有楽町線または都営地下鉄大江戸線月島駅下車4番出口 徒歩1分
・都バス「門33亀戸駅-豊海水産埠頭」月島駅下車 徒歩2分
https://mappage.jp/cml/SMAP.php?X=139.7879312578&Y=35.6617154837&L=12#S04

 

(磯島康郎会員)