9月11日~10月9日まで、葛飾区産業経済課主催により、葛飾区で創業される女性のための創業塾(全4回)が開催されました。城東支部の地域貢献活動の一環として、大石正明城東支部能力開発推進部長の他、城東スキルアップの卒業生が講師として派遣されました。
1.講義日程および担当講師
女性のための創業塾は、「経営の基本的な知識と事業計画の作り方」を目的として、構成されています。講義日程と担当講師は以下のとおりです。
日程 | 講義内容 | 講師 | |
第1回 | 9月11日(日) | 経営の基本知識 | 大石正明 |
第2回 | 9月18日(日) | 販路開拓・人材育成 | 加藤敦子 |
第3回 | 9月25日(日) | 経理財務の基礎知識 | 武田明子 |
第4回 | 10月9日(日) | 事業計画の評価 | 大石正明 |
※1 時間はすべて13:30~16:30
※2 グループワーク支援スタッフ:池田史子、加藤敦子、木内清人、小崎卓也、近藤栄一、瀬田浩伸、高仲秀寿、武田明子、波多埜宏幸、福永真美、本田一也、横山和志(五十音順)
2.実施内容
創業塾では、グループワークを交えながら、自身の「事業計画書」を作成していきます。今回は10名の受講申し込みがありました。グループワークは、5名ずつ2つのグループに分かれ、各グループにグループワーク支援スタッフとして診断士が入り、受講者の皆さんとディスカッションするという形で進めました。「創業済み」の方、「創業目前」の方、「創業準備中」の方など進み方は様々ですが、お互いの熱い想いを語り合いながら、自身の夢の実現を目指して「事業計画書」の作成に取り組みました。
(1)第1回:経営の基本知識
第1回は、経営の知識、事業開始までのステップとして、事業計画書の「1.創業の動機」~「6.事業ドメイン」を作成しました。女性創業者の事例、女性創業者の特長、成功する女性創業者の方の共通点等を共有しつつ、講義とグループワークが進められました。
(2)第2回:販路開拓・人材育成
第2回は、事業計画書の「7.ポジショニング」~「10.人材集め/定着させる環境づくり」の作成です。
前半は「マーケティング」にあたります。「売れる仕組みをつくるための差別化」を行うための「ポジショニング」、商品を売るために必要な考え方「マーケティング・ミックス(4P)」について勉強しました。
後半は「人材育成の基本」です。各自の将来の事業の姿をイメージしながら、人材の「募集」に始まり、必要な「人件費」、「諸費用」の計算などを考えました。
「女性経営者が考える、本人の資質や能力」として「顧客に対し、きめ細やかな対応ができる(73.0%)」「女性従業員をうまく活用することができる(68.0%)」という調査結果が報告されています[※3]。「女性ならではの強みで、人材をうまく活用していきましょう。」というお話がありました。
※3「中小企業の女性経営者に関する実態と課題~ジェンダーギャップの所在について~」,日本政策金融公庫総合研究所, 日本公庫総研レポートNo.2013-3,2013年6月7日
(3)第3回:経理財務の基礎知識
第3回は、事業計画書の「11.創業時に必要な設備投資」~「14.(アクションプラン)」の作成です。財務諸表など財務・経理の基礎知識を勉強した後、仮想の商店「たけだや」について具体的な数値を入れながら、設備投資、資金調達、収支計画等について考えました。
最後の「14.(アクションプラン)」は、「各自の事業計画について、6W2Hの視点で考える」ということで、最終回までの宿題となりました。
(4)第4回:事業計画の評価
第4回は、本創業塾の集大成として、受講者の皆さんに自分の事業計画書について発表していただきました。すでに2名の方は起業の準備を進められていたこともあり、受講者や支援スタッフから質問や意見も多く出されて、盛り上がりを見せた会となりました。
3.創業支援活動を強化している葛飾区
葛飾区は、2016年5月、産業競争力強化法第113条に規定する「創業支援事業計画」に基づく「特定創業支援事業」の認可を受けました。これにより、本講座の受講者は「創業塾(特定創業支援事業者)による支援を受けたことの認定」を受けることができます。
認定の詳細については、葛飾区のホームページを参照してください。
“葛飾で勝つ!~区内での創業を応援します~”
http://sogyokatsushika.com/school
4.その他(受講者の感想など)
受講者の方々からは、次のような感想が寄せられました。
- 実際に計画書として数字を含めて検討することで、事業の実現性が明確になり、見通しの甘い部分があったことに気づくことができた。
- この創業塾をきっかけにして、定期開催の無料経営相談会にお世話になることができ、とても助かっている。
- 起業済みの方のお話を聞くことができ、想いを声に出して前向きに取り組むことがとても重要だと感じた。